良縁-その先の人生を見つめて

第3章 お見合いの常識と非常識

三十年以上の歴史のなかで変化したこと

よく「三十年以上の歴史のなかで、変化はありましたか」といった質問を受けますが、入会されてから、条件を出していただき、紹介からお見合い、ご成婚といった流れはまったく変わっていません。けれども、ライフスタイルの変化によって会員さんが相手に求める条件は少しずつ変化しています。
たとえば、男女の年齢差は、昔は男性が三歳くらい上というのが常識でしたが、今は十歳以上離れた男性を希望なさる女性もいれば、「年下でも可」という女性までさまざまです。年下でもいいと、堂々と条件にあげるようになったのは、小柳ルミ子さんなどの芸能人が年下の男性と結婚し始めたころからでしょうか。また、皇太子殿下の結婚を機に、身長にこだわる女性も少なくなったような気がします。
一方、昔は年上の女性などとんでもないといった雰囲気だった男性のなかにも、「年上の女性のほうが面倒見がよくていい」という人が、若干出てきています。年下を希望する女性にしろ、年上でも良いという男性にしろ、以前は「こう言うと恥ずかしいかな」という思いから、遠回しに遠慮した言い方で表現していたものですが、今はストレートにはっきりと何でも言える時代になっていると思います。こうした傾向は結婚生活にも反映されていて、昔はご主人にゴミを捨てさせるなんてみっともなくて恥ずかしいといった風潮でしたが、今や、ゴミ捨てはご主人の仕事という家庭は結構多いのではないでしょうか。
年齢や身長だけでなく、職業についてもそれは同じです。以前は女性は学校を卒業すると、とりあえず花嫁修業をするというのが一般的でしたが、花嫁修行という言葉そのものがすでに死語に等しくなっています。男性が求める女性も、昔は専業主婦で家のなかにいてほしいという人が多かったのですが、今は共働き希望者がけっこうたくさんいます。とりあえずいっしょに働いて、豊かな生活をおくりたいという人たちが増えているのだと思います。
ただし、不況から職場をめぐる状況もかなり厳しくなっていて、出産したあと職場復帰できる女性は限られているようです。そうしたことから、共働き希望者の男性は、求める相手の女性に教師などの公務員を希望する方が多いですね。けれども一方で、女性は結婚に対して経済的には男性に依存するという傾向にありますから、男性が女性のお財布を期待しすぎると、しっぺ返しをくらうかもしれません。
最近は、女性のレベルがたいへん高くなりました。共学の大学でも女性が占める率が高くなり、なおかつ女子大もありますから、大卒の女性の数はとても多いのです。また、女性の身長も高くなっていますから、なかなか女性が望む男性に出会えないというのも理解できます。
独身時代、かなり高いお給料をもらっていた女性がいました。そのお嬢さんは東大を卒業したエリートと結婚し、それと同時に仕事もやめて家庭に入りました。その男性もかなり高給を得ていた人だったのですが、彼の生活費だけでは独身時代のような華やかな生活をおくるわけにいきません。結局彼女は離婚してしまったのですが、離婚したからといって、もとの就職先に戻ることもできず、仕方なく違う仕事につくことになりました。でも、以前ほどの高給を得るには至っていません。結婚によっていったん仕事をやめてしまった女性が、再就職先を見つけ、生活レベルを結婚前まで回復させるのはたいへんなことなのです。
今の日本の社会では、結婚によって生活が大きく変わるのは、まだまだ女性のほうです。女性は結婚する男性によって、極端な話、食卓にのぼる食材がステーキから挽肉になることもあるのです。ですから、私はある意味では、現在の状況で女性が相手に高望みをするのは当然だと思っています。