良縁-その先の人生を見つめて

第6章 三十五年の歴史の重み ― 父、宮原嘉寿のこと

お見合いの世界は平等

現在の全国仲人連合会の基本的なシステムは、ほとんどこの時期にできあがりました。けれども、まだまだお見合いはボランティアという風潮が強かった時代に、全国一律の料金を徹底させることが、最初のうちはたいへんだったようです。当時は基本料金ではなく、基準料金というのを設けて、仲人さんの裁量にある程度はまかせなくては、地域によって慣習が違うこともあって仲人さんのなり手がありませんでした。しばらくはその方法でやっていたものの、連合会を名乗る以上、料金を一律にしなくては会員さんにとっても平等ではありません。そこで、二十年くらい前にきっちりと「基本料金」を設け、守れない仲人さんにはお辞めいただくという少々厳しい規定を設けました。

父は平等ということにこだわった人でした。お見合いをして結婚するという意味では、財産がある人でもない人でも、たどる道はまったくいっしょです。逆にいえば、平等という概念は実杜会ではなかなか見当たりませんが、私どもの会では貧富の差は関係なく、全国どこでも老若男女を問わない統一料金なのです。たとえ財産がない家に産まれた人でも、勉強して努力し、大学を卒業してきちんとした会社に入れば、ここでは評価され、相手に選ばれる確率も高くなります。
努力してきた人が選ばれるわけですから、チャンスは平等です。
仲人さんに対しても同じことが言えます。この仕事は年齢制限がありません。男女の差もありませんし、特別な技術も必要ありません。とかく年齢の若い人が有利になりがちな仕事が多いなかで、年齢の高さを経験の多さとして評価され、尊重される数少ない仕事と言えるのではないでしようか。